胃癌(胃ガン)・症状・検査・療法

 home(癌&癌のキーワード)>menu>胃癌(胃ガン・胃がん) 胃癌(胃ガン・胃がん)

胃癌・構造・転移・症状・検査・療法・ヘリコバクター・ピロリ・分類

スポンサードリンク
スポンサードリンク


     
概要/胃癌(胃ガン・胃がん)


     胃癌は他の癌に比して、離れた臓器には転移し難い癌とされます。ですが、早期でもリンパ節には転移し易く、

     放置しますとリンパ節から他のリンパ節に転移が進み、最終的には血流から他の臓器に血行性転移をします。

     胃癌が成長して、胃壁を突き破れば、腹腔内に播種性転移もします。腹腔には近傍臓器もあり、臓器を包む膜

     にも転移(腹膜播種)したり、胃を通過した血液が、肝臓にも転移をきたします。胃癌は、発見時に進行していれ

     ば、肝臓や腹膜で再発する事もあります。


     * タキソールとアブラキサン;胃癌に広く使われておりますタキソールは、薬をアルコールで溶かして点滴をする

     必要があり、 アルコールに過敏な人や、自動車を運転する必要のある人には使いづらい薬です。アブラキサン

     は そのデメリットを解消した胃癌の治療薬として追加承認されました。 然しながら 副作用として手先の痺れや、

     関節、筋肉痛などがあります。





     * 遺伝性胃癌;欧米で胃癌が親子間に遺伝する原因の一つとして報告されていた「E-カドヘリン」遺伝子(細胞

     同士の正常な接着に関わる蛋白質の分子)の生殖細胞変異が、国内の胃癌患者から発見されたとキャンサー

     イエンス(日本癌学会の専門誌)オンライン版に発表されました。「これで、日本にも遺伝性の胃癌の存在が

     証明され、遺伝子検査の普及〜胃癌の早期発見・治療に繋がる」としています。研究グループでは、家族に胃

     癌の発症者がいる患者13人の血液から E-カドヘリン遺伝子の生殖細胞変異があるかを調べたところ、20代

     と30代の患者2人から、欧米患者同様の変異を発見し、 細胞接着機能が失われている事も確認した。「胃癌

     を若年発症した家族がいる人は遺伝の可能性があり、定期的な癌検診を促す根拠になる」として注意を呼びか

     けています。




     
* MUTYH;「人の細胞内にある特定の遺伝子が、胃癌の悪性度や病気の進行具合と関係している」事を浜松医

     大の研究グループが確認したと、国際的な病理学雑誌ジャーナル・オブ・パソロジーのオンライン版に発表しま

     した。それによりますと、胃癌患者353人の癌細胞を調べたところ、 正常な細胞と比べ、傷付いたDNAの修復

     機能を持つとされるMUTYHの蛋白質量が平均して、 約4割少なくなっている事を突き止めたというもので、それ

     に伴って修復機能が低下している事も判明した。 従来、MUTYHは大腸癌の原因遺伝子の一つとして知られて

     いるものですが、他の癌との関係は不明であった。
担当准教授は「今後、多くの症例を解析し、より正確な予後

     の評価方法となる様にしたい」と述べています。



     
§1 胃癌(胃ガン・胃がん)


     胃癌は日本人に特に多発する癌です。胃癌は男性に多く好発年齢も男性では60歳代、女性で50歳代といわれて

     おります。粘膜に発生する胃癌は粘膜から時間と共に粘膜下層、筋層、漿膜に進行してゆきます。胃癌は早期胃癌

     と進行性胃癌に分けることも出来ます。早期胃癌とは癌細胞が胃粘膜下層までに留まっているものをいい、進行

     性胃癌は固有筋層より深く浸潤したものをいいます。(胃癌進展度分類模式図もご覧下さい)。早期胃癌はその形態

     から隆起型(T型)、表面型(U型)、陥凹型(V型)に分けられ表面型はUa(表面隆起型)、Ub(表面平坦型)、Uc

     (表面陥凹型)に分類する事ができます。(早期胃癌分類模式図もご覧下さい)。又、進行癌につきましては1型(胃

     の内側に隆起している)、2型(潰瘍を作るもので正常組織との境界が明瞭なもの)、3型(潰瘍形成型で、境界の

     不明瞭なもの)、4型(隆起や潰瘍が無く胃壁を広く進展しているもの)に分類されます。1型と2型は限局型であり、

     3型と4型は浸潤型であり、スキルス胃癌は4型に該当します。(進行性胃癌の分類模式図も御参考にご覧下さい)

     早期胃癌の予後は極めてよく、5年生存率も90%以上です。漿膜下層、固有筋層に浸潤した癌でも70〜80%

     程度と良好な結果を示していますが、治療切除できなかった場合の5年生存率は2〜3%程度しかありません。







 home(癌&癌のキーワード)>menu>胃癌(胃ガン・胃がん)



     
§2 胃壁の構造


              -胃壁組織像模式図-
胃壁は内側より表層粘膜細胞(腺窩上皮

)、腺頸部、胃底腺細胞、粘膜筋板、粘

膜下層、固有筋層、漿膜層からなり、胃

癌は粘膜層(表層粘膜細胞〜粘膜筋板)

に発生し粘膜下層、固有筋層、漿膜へと

進行して行きます。胃癌の多くは上皮性

であり、胃癌の浸潤度に応じて早期胃癌、

進行胃癌に分類されます。早期胃癌とい

う病気は「癌の浸潤度が粘膜内か粘膜下

層に留まるもので、リンパ節転移は考慮

に入れない」とあります。








§3 胃癌(胃ガン・胃がん)の転移



胃癌は他の癌に比べますと離れた臓器に転移し難い癌ですが、リンパ節には転移し易く、放置すると他の

リンパ節に転移が進み最終的には血流に乗り他の臓器にも転移します。リンパ行性転移は癌細胞がリン

パ管内に侵入してリンパ系に広がるもので、血行性転移は血管内に癌細胞が入るもの、大きく成長する

と、胃壁を突き破り癌細胞が漿膜層から腹腔内に侵入してしまう腹膜転移、癌細胞が腹腔内に種を播いた

ように広がる播種性転移もあり、治療も手術療法だけでは困難になります。胃を通過した血液は肝臓に

集まりますので、胃癌が進行し、癌細胞が血流に乗り肝臓に転移する事もあります。播種性転移では、あ

る病理医が迅速診断時に、良性、悪性の判断に迷う事例がありましたが、その旨を外科医に伝えたところ

、患部の確認を指示され、その結果、患者さんのお腹の中はジャガイモのような結節で一杯であったと記

述されております。胃癌が腹腔内に播種している悪性筋肉腫であったそうです。



 胃癌から他臓器への転移率  他臓器癌から胃への転移率
11、3%
肝臓 15、0%
膵臓 08、6%
腹膜 11、9%
骨・骨髄 05、0%
膵癌 17、3%
肺癌 14、2%
リンパ腫 10、6%
白血病 09、2%
肝癌 08、0%
結腸癌(大腸癌) 04、8%




     * 胃癌が転移・再発した場合は通常、化学療法を選択します。使用される抗癌剤はTS−1、TS−1+シスプラチン

     TS−1+イリノテカン、イリノテカン、シスプラチン、ドセタキセルパクリタキセル



     * 胃癌が転移・再発した場合にとられる緩和療法としましては、腹膜播腫のために、腹水が起こり易く、その

     場合には利尿薬をしようしたり、尿管が圧迫されていれば腎臓までカテーテルを通します。肝臓から胆嚢や消化

     器へと胆汁を送る胆管が狭窄した場合には、胆汁を体外に排泄させる方法もとります。栄養を口から摂れない

     場合には、IVH(中心静脈栄養法)を選択します。



 home(癌&癌のキーワード)>menu>胃癌(胃ガン・胃がん)




     
§4 胃癌(胃ガン・胃がん)の症状


     腹痛が最も多い症状です。胃癌の場合特有の症状というものは無く、他の胃腸の病気の症状と変わらない症状で

     腹痛、胃部不快感、食欲不振などです。食べ物の好みが変わる事があります。吐き気、嘔吐、胸焼け、ゲップ、

     下血などの症状を確認することもあります。ですが、症状が希薄で集団検診や、人間ドッグで初めて胃癌が発見

     される事も多く、早期発見に検診が大きな決め手になっている事も御記憶下さい。

               -胃癌自覚症状-
胃癌は早期胃癌と進行胃癌ではその症状の発

現にはわずかに異なるところが有ります。早

期胃癌、進行胃癌ともに上腹部痛が多くを占

めています。進行胃癌では特異的に体重減少

が40%と多数を占めている事がわかります

。然しながら全体的には特別な症状というよ

りも胃腸の調子が悪いなという症状です。胃

癌が進行しますと腹部を触診すると硬いしこ

り(腫瘤)を感じる様になる場合もあります

。この頃になりますと、食欲不振がはなはだ

しくなり、衰弱も全身に至るようになり、腹

水や痛みも激しく、嘔吐や吐血も確認できる

事もあります。





         -胃癌の部位別発生率-             -胃癌進展度分類模式図-






     
§5 早期胃癌(胃ガン・胃がん)の分類

            -早期胃癌分類模式図-
早期胃癌のT型は隆起型、U型は表面型、V型は

陥凹型ですがU型は更に各a.b.cに分けられてお

ります。早期胃癌の段階で発見する事が出来れば

高い確率で治癒が可能です。日本の胃癌の臨床と

研究に付いては世界をリードしているといわれて

おります。






     
§6 進行性胃癌(胃ガン・胃がん)の分類

                           -進行性胃癌の分類模式図-

進行性胃癌は1型は胃の内側に隆起しているもので、2型は潰瘍を作り、3型は潰瘍形成型ではあります

が、浸潤性で境界が不明瞭のものです。更に4型になりますとスキルス胃癌と呼ばれ、若年者に多く、境

界は不明瞭で進行が速く、悪性の癌で早期発見も難しい癌です。






     §7 胃癌(胃ガン・胃がん)とヘリコバクター・ピロリ菌との関わり


     胃癌(胃ガン)という病気や胃リンパ腫という病気の発生は、ヘリコバクター・ピロリ菌がかかわっている事も

     分かってきています。

     ヘリコバクター・ピロリ菌の感染者のうち、胃癌(胃ガン)を伴う事例は、一部にしか過ぎませんが、EMR(内視

     鏡的胃粘膜切除法)後、ヘリコバクター・ピロリ菌除菌で、異時多発胃癌(胃ガン)の増殖抑制やヘリコバクター・

     ピロリ菌感染陰性者には、8年間の経過観察で胃癌(胃ガン)発生が確認されなかった事からもヘリコバクター・

     ピロリ菌の胃癌(胃ガン)発生への関与は充分にあると、考えられています。

     ヘリコバクター・ピロリ菌に感染して胃粘膜に生じた炎症は、持続すると10〜20年後には腸上皮化生に変化する

     と考えられております。


     萎縮性胃炎が進行すると腸上皮化生という(胃粘膜が腸粘膜に似た状態に変性)状態になり、結果、胃癌(胃

     ガン)が発生し易い事が知られていますが、ヘリコバクター・ピロリ菌がその萎縮性胃炎に関与しているという

     事であるならば、胃癌(胃ガン)のリスクファクターと言え、実際ピロリ菌陽性の人は陰性者と比較した場合

     に、2、8〜6倍胃癌(胃ガン)になりやすいと言う結果が確認されております。ただし、ピロリ菌感染率の高い

     国で胃癌(胃ガン)が少ない国もあるためその因果、相関関係に付いては、いまだ詳細の形成メカニズムは

     解明されていないという事でもあります。




◎こちらに掲載させて頂いておりました以下の癌関連追加情報は整理ポストに移動させて頂いております。
*ピロリ菌除菌 *乳幼児のピロリ菌感染 *早期ピロリ菌除菌 * * * * *


     
* ピロリ菌検査方法;T、内視鏡による検査方法@培養法;採取した胃の粘膜を培養して、菌の有無を判定す

      る。A病理検査(組織鏡検法); 採取した胃の粘膜を顕微鏡で観察し、菌の有無を調べる方法。B迅速ウレ

      アーゼ検査;採取した胃の粘膜を、特殊な液と反応させ、色の変化を見て、菌の有無を判定する。 U、その

      他の検査方法;@尿素呼気試験;診断薬を服用し、服用前後の呼気を集めて診断する。A血液または尿中

      抗体検査; ピロリ菌に感染すると体の中に出来る抗体の有無を、血液や尿で調べる。 B便中抗原検査;糞

      便中のピロリ菌を調べる。



     * ピロリ菌除菌時事2013;2000年9月から保険適応となっておりますピロリ菌除菌は、胃酸を抑制するプロ

     トンポンプインヒビター(PPI)と抗生剤アモキシシリン(AMPC)+クラリスロマイシン(CAM)を7日間服用する

     ものです。 また、2007年8月から2次除菌療法としてPPIとAMPCとメトロニダゾール(MNZ)を組み合わせ、

     7日間服用する方法も保険適応となっております。これは抗生剤の乱用から、CAM耐性のピロリ菌が全体の

     30%程度まで増えており、ピロリ菌除菌治療が失敗に終わる背景もある為です。1次除菌に失敗しても、2次

     除菌まで受ければ97〜99%の成功率とされております。 但し、全てのピロリ菌感染者が保険診療で除菌療

     法を受けられる条件は、感染診断と内視鏡検査を受ける事が必要です。 除菌治療の成否判断は、ガイドライ

     ンでも治療後4週間以上空けて除菌判定の要を説いています。(除菌療法後約1ヶ月は、除菌判定の検査は

     全て陰性となってしまいます。)







 home(癌&癌のキーワード)>menu>
胃癌(胃ガン・胃がん)




     
§8 胃癌(胃ガン・胃がん)の検査


     
* ABC検診;胃癌の原因と目されるヘリコバクター・ピロリ菌感染と共に、胃粘膜の萎縮を、血液で調べるABC

     検診を導入する自治体などが増加しています。胃粘膜が萎縮すると、消化酵素に関連する物質ペプシノゲンの

     分泌量が減ります。 これを利用し、ABC検診ではピロリ菌感染を示す抗体の有無と共に、ペプシノゲンの血中

     濃度を調べる事で、胃癌のリスクを判定します。 分類はA(感染が無く、萎縮も進んでいない)・B(感染している

     が、萎縮が進んでいない)・C(感染していて、萎縮の進んだ人)・D(萎縮が進み過ぎて、ピロリ菌が住めなくなっ

     た)とし、リスクはA<B<C<DとDが一番大きくなっております。リスクの大きさに応じて内視鏡検査の頻度が決め

     られます→A(不要)・B(3年に一度)・C(2年に一度)・D(毎年)。年あたりの胃癌発生頻度はA(ほぼゼロ)・B(

     1000人に1人)・C(400人に1人)・D(80人に1人)と報告されております。 血液検査は5年に1度とされており

     ます。


     
§8−1 X線検査/胃癌


     殆どの方が御経験と思いますが、二重造影法と呼ばれる胃部X線検査では造影剤のバリウムを飲んだ後、発泡剤を

     飲んで膨らんだ胃壁の状態を投影確認する方法で、早期胃癌や進行性の胃癌も容易に診断できますし、病変や癌

     細胞の深達度なども推定できます。






     
§8−2 内視鏡検査/胃癌(胃ガン・胃がん)


内視鏡検査ではファイバースコープを飲

み込み、直接胃の中を観察できる方法で

す。モニターで確認しますが、食道から

十二指腸まで確認できます。粘膜に色素

を吹き付けて色素により粘膜の状況を確

認することも可能です。内視鏡の管も従

来のものよりも、径が細くなり飲み込む

際の被験者の負担も少なくなってきてお

ります。その際病変が発見されれば、胃

粘膜の組織を採取して、組織顕微鏡検査

をし、診断を確定します。

日本の内視鏡技術レベルは世界一といわれ、内視鏡診断と生検による最終病理診断の一致率は、非常に

高いとされております。しかし、臨床医がこのケースは胃癌ではないという思い込みが有る場合もあります。

その様なケースでは癌細胞の存在を見逃す可能性もあります。これは病理医が臨床診断を信じすぎてしまう

場合にも、見逃すという点ではありえる事です。実際、その様な事例も紹介されております。潰瘍性の病変が、

なかなか治らず半年後に再検査(生検)で、胃癌が確定したケースもあるのです。診断の結果が全てである

という考えには、場合により、柔軟な判断力が、求められるかも知れません。その様なケースも有りうるのだ

という事も、頭の片隅に留めて置いてください。






     
§8−3 超音波検査/胃癌(胃ガン・胃がん)


     胃癌と診断されれば、他臓器に転移していないかの確認検査に有力な方法で、妊婦にも使用される安全性の高い

     検査で苦痛もありません。内視鏡に超音波振動子を装着した超音波内視鏡検査もあり、胃癌の進行度判定や、

     手術方法の選択にも有効な手段となっております。






     
§8−4 腫瘍マーカー/胃癌(胃ガン・胃がん)


     胃癌にはCEACA19-9、などが用いられます。







     
§9 胃癌(胃ガン・胃がん)関連検査値・基準値


     便性状便潜血α-フェトプロテイン


     (血便の色は出血の量や速度、消化管内の通過時間により異なるが、肉眼では一般的に、食道や胃、十二指腸

     など上部消化管の出血ほど黒っぽく、下部に行くほど暗赤色、鮮紅色になる。消化管出血は肉眼では確認でき

     ず、便潜血反応で確認できるケースもある。胃癌の場合は出血は通常少量、持続性であり、血便は肉眼で判明

     しない場合が多く、大量出血に至ればタール状便、吐血が確認されたりし、初期は出血が無い事も多い。)






     
§10 療法/胃癌(胃ガン・胃がん)


     
§10−1 外科療法/胃癌(胃がん)


     手術は浸潤の程度、リンパ節転移、他臓器に転移があるかなど検査の結果から状況を把握し、組織型も考慮した

     適切と思われる方法が選択されます。
               -胃癌切除例-
定型手術は胃の2/3を切除し、胃周囲リ

ンパ節を郭清します。(早期癌でもリンパ

節転移が確認されます)拡大手術は胃の全

摘術と共に広範囲のリンパ節郭清、周囲の

臓器の切除(大腸、膵臓、肝臓、十二指腸

、脾臓、横隔膜など)も行われます。縮小

手術はリンパ節の転移も無く、極小さな初

期早期癌に対しておこなわれます。リンパ

節郭清に付いては術前確認を慎重に行い、

リンパ節郭清の範囲が決められ、胃も一部

のみの切除となります。

リンパ節郭清につきましては、欧米と日本では考え方に少し差があるようです。進行癌は胃の全摘術、拡大

リンパ節郭清、他臓器合併切除など根治を目的として行われますが、これは胃の2/3以上の切除と、リンパ

節のD2郭清(第1群、第2群のリンパ節をとる事)を行うのが定型手術でしたが、欧米ではD2郭清はあまり

行われてきておりません。D1郭清に放射線治療をプラスした場合と、D2郭清とどちらがすぐれているのかは

結論が出ておりません。しかし、現在のアメリカ(NCCN)、イギリスのガイドラインではD2郭清をするべきとの

記載があるようです。



      * 術後の食事;胃の働きは @一時的に食物を貯蔵する。A胃酸と混ぜて粥状にする。B胃酸で食物を殺菌

      し、腐敗・発酵を防ぐ。というものであり、入り口の噴門と出口の幽門が食品の出入りを調整します。従いまし

      て、手術の箇所によりそれらの働きは失われる事になります。胃を全摘すると食物は未消化のまま急激に腸

      に落ち、動悸・眩暈・疲労感などのダンピング症状が発現します。食物はよく噛み、少量の食事を回数を増や

      して食べたり、食後は安静にする事が大切です。 調理方法や食品の鮮度、衛生管理も注意が必要になりま

      す。(胃酸も出にくくなっていますので、食べたものを軟らかくする力や、殺菌力も弱くなります。)




 home(癌&癌のキーワード)>menu>胃癌(胃ガン・胃がん)



     
§10−2 内視鏡による治療/胃癌(胃ガン・胃がん)


     
§10−2−1 早期胃癌(胃ガン・胃がん)/内視鏡による治療


     極めて初期、早期胃癌では内視鏡による切除が可能になります。高齢者や合併症により、手術に問題が有るよう

     な場合にも、早期胃癌であるならば適用される場合もあります。内視鏡的治療法としては癌を切除する方法(ポリ

     ペクトミー、ダブルスネアー・ポリペクトミー、ストリップバイオプシー、ERHSEなど)と癌を物理的に破壊する方法

     (光線力学的療法、レーザー療法、マイクロ波、高周波焼灼、ヒートプローブ、局所注射など)もあります。

     切除された組織は顕微鏡でリンパ節、血管を調べ転移の有無や、癌細胞の性質などの確認から癌の程度を確認

     することもできます。その際は胃の手術の必要性の判断も含めた選択も可能となります。


     *1極めて初期、早期胃癌/内視鏡的治療を考慮するのは手術が出来ないか、身体の状態が悪く手術適応が難し

     い場合です。極めて初期、早期胃癌とは粘膜癌、ポリープならば2p以下、糜爛状の癌なら1cm以下で潰瘍、

     瘢痕を伴わないもの、境界のはっきりした分化型の癌とされます。


     * 内視鏡治療;早期胃癌の内視鏡治療は、外科切除と比べて後遺症がはるかに少ない事があります。 胃を切

     り取ると術後の食生活に影響がありますが、 内視鏡治療の場合には胃の形状があまり変わらないため、食事

     が食べ難いという後遺症は殆ど無いとされます。然しながら、転移のある癌には内視鏡治療は適用できません。

     電気メスの先端に絶縁体を取り付けた「ITナイフ」開発後は、適応範囲も広くなり、一括で切除も可能となり、成

     績は向上しております。 この術式は胃の粘膜下層を剥がすように切り取る事が出来、条件が整えば、直径12

     cmもの大きな癌も切除可能とされております。




     
* 内視鏡による摘出腫瘍;内視鏡治療で一度に摘出できる大きさには限度がある事が課題でした。内視鏡で腫

     瘍を少しずつ摘出する場合と、開腹により一度に広範囲に取り去った場合では、広範囲に取り去る方が再発率

     が非常に低いというデータがあります。この内視鏡治療に伴う問題をITナイフで広範囲に取り除く事が出来る様

     になっています。この場合、手術の翌々日には、おかゆを摂る事が出来、胃の粘膜は約1〜2ヶ月で再生すると

     紹介しております。 最初の2〜3週間、刺激物を避ければ日常生活を送る事が出来るとしています。進行癌でも

     転移が無い場合には有効であるとも紹介しています。



     
* 治療を取り巻く環境;胃癌の治療法は日々、進歩しており、内視鏡や腹腔鏡手術は、技術の上達や手術器具

     の発展などで、より手術対象となる癌の大きさは拡大しております。これらの手術成績は、執刀医の技術レベル

     に大きく左右される現実があります。一方で注目されているのが、米国で普及が進んでいるda Vinci(ダビンチシ

     ステム)の様なロボット技術を活用した手術です。これは医師が立体画像を確認しながら、手振れ防止機能を利

     用して、執刀するものです。 国内には未だ数台しか導入されておりませんが、 腹腔鏡より精度の高い手術が可

     能になるのでは、と期待されています。 NOTES(ノーツ)は開腹せずに、 口、尿道、肛門などから手術器具を挿

     入して腫瘍に近づき、患部をとる技術です。



     
* ダ・ヴィンチサージカルシステム;腹腔鏡手術は早期胃癌が対象で、切開部が小さく術後の痛みが少ない利点

     があります。これは高度な技術が必要であり、鉗子は一方向でしか把持できず患部の裏側に回っての作業は出

     来ない。 「ダ・ヴィンチサージカルシステムはロボット支援技術であり、 モニターを確認しながらマニピュレーター

     を使って、挿入された鉗子を操作できる。 鉗子は人間の手首のように自在に操作可能で、3Dカメラの画像は奥

     行きもあり、患部を立体的に捉える事が可能です。 手の震えも補正するフィルタリング機能や、手の動きの大き

     さを正確に縮小するスケーリング機能も具備されている。 従いかなりの繊細な手術が可能で、 従来の内視鏡手

     術よりも精度も高い安全な手術が期待できる」と医療関係者は述べている。






     
§10−2−2 進行性胃癌胃ガン・胃がん


     進行性胃癌で手術できないほどの進行を示すものや再発しているもので、食事の通過もままならない場合など

     にも、QOLの向上を確保するために内視鏡的な治療も試みられております。ブジー(胃の入口など狭くなったところ

     を押し広げるもの)、プロステーシス(人工食管)、ヤグレーザ(熱エネルギーで癌の塊を破壊し内腔を再開通させ

     る)などがありますが、危険も伴うため癌の状態や、患者の年齢、全身状態などを総合的に考慮して選択します。


     ある事例では80歳代後半の女性が、呼吸困難で亡くなりました。彼女は10年前に幽門部に出来た進行性胃癌

     と診断されていましたが、手術をせずに経過観察されていました。解剖の結果、確かに進行性の胃癌が存在しま

     したが、その大きさは10年前と変わらず、転移も無かった。食欲も無くなるまで、変わらずにあり、死因は肺炎で

     あった。胃癌とは無関係で、このように高齢者の場合には、進行した手遅れの胃癌であっても、増殖するとは限り

     ません。ちなみに100歳以上で亡くなる方の死因には、癌が少ない事は、病理解剖の結果からも明らかにされて

     おります。(一つの事例としてお受け留め下さい。)



     * 内視鏡による消化管閉塞治療(byステント);胃癌・十二指腸周辺の癌や膵臓癌・胆道系の癌が進行しますと、

     消化管の閉塞により患者さんは食事も摂れず、消化液は胃に溜まり、嘔吐を繰り返す様になります。特に胃癌・

     膵臓癌は2大原因で、年間約7300人の方が、閉塞を起こして苦しんでおられます。「胃・十二指腸ステント術」

     は2009年11月に薬事承認を受け、2010年4月に保健適用されました。この治療は患者さんへの身体への負

     担は、従来の「経鼻胃管」、「胃瘻」、「胃・小腸バイパス術」などと比べて、格段に少なく、 今後に大きく期待され

     ている治療法です。従来法では、閉塞事態は改善せず、食事が出来ません。残された時間を高いQOLで過ごす

     事はとても大切な事です。 「胃・十二指腸ステント術」の治療正味時間は15〜20分で済み、治療後、食事を摂

     れる様になるのも、バイパス術の8〜9日に対して、1〜2日、 入院期間も28〜30日に対して、15〜19日と短

     くなります。ステントは、内視鏡挿入部に畳んだ状態で3、3oの細いカテーテルに収まるものです。このステン

     トは広がると直径22oになり、 閉塞部を開いて、内容物の交通を確保します。(この方法は既に、欧米では10

     年も以前から採用されている方法です。)食事を摂れる様になった患者さんのQOLは大きく向上し、表情は明る

     くなるとしています。『通過障害で食事を摂れなくても、胃液は分泌(1500〜2000cc/日)され、十二指腸の下

     部が閉塞して膵液や胆汁が加わる場合には、5000cc/日にも達する事もあります。 患者さんは1日中吐き続

     け、脱水症状に陥ります。』但し、この方法は、長期的に見ますと、再閉塞が起きたり、ステントがずれたりする

     可能性が有ります。(その場合、多くのケースでは再治療が可能です。)






     
§10−3 化学療法/胃癌(胃ガン・胃がん)


     胃癌は抗癌剤の効き難い癌です。しかし手術療法が不可能、手術の補助的手段、術後の再発防止などの補助療法、

     症状緩和として選択されています。抗癌剤は癌の種類、発生部位により特性もありますが、多くの抗癌剤が開発

     されており様々な選択肢も研究されております。術後補助療法の効果を正確に評価するためには、手術単独と

     術後補助化学療法を加えた場合で比較試験を行い、その結果を世界に提示して行くことも必要になります。

     1988年以来の比較試験では、肯定的な見解は出ておらず、胃癌の手術後の抗癌剤治療の意義ははっきりして

     いないとする見解があります。



     
関連抗癌剤/シクロホスファミドニムスチンチオテパシタラビン製剤フルオロウラシルテガフール

     テガフールウラシルTS-1ドキシフルリジンカルモフールエピルビシンドキソルビシンピラルビシン

     マイトマイシンアクラルビシンイリノテカンドセタキセル水和物パクリタキセルシスプラチンイリノテカン

     TS−1シスプラチンTS−1イリノテカン





 home(癌&癌のキーワード)>menu>胃癌(胃ガン・胃がん)




     
§11 胃癌(胃ガン・胃がん)の分類



     
§11−1 TNM分類/胃癌(胃ガン・胃がん)


T 原発腫瘍
 Tx 原発腫瘍の評価が不可能
 T0 原発腫瘍を認めない
 Tis 上皮内癌/粘膜固有層に浸潤していない上皮内癌
 T1 粘膜固有層又は粘膜下層に浸潤する腫瘍
 T2 固有筋層または漿膜下層に浸潤する腫瘍*1
 T3 漿膜(臓側腹膜)に浸潤しているが、隣接臓器にまで浸潤していない腫瘍*1.2.3
 T4 隣接臓器にまで浸潤している腫瘍*1.2.3
    注1 漿膜下浸潤腫瘍では、たとえ胃結腸間膜や胃肝間膜、あるいは大網や小網内を進展とした場合でも、それらの漿膜が浸潤されなければT2と分類する。これら胃間膜や大・小網の漿膜に浸潤が及んだ時には、T3と分類する。
    注2 胃の隣接臓器とは脾、横行結腸、肝、横隔膜、膵、腹壁、副腎、腎、小腸、後腹膜を指す。
    柱3 胃から十二指腸や食道に浸潤が及んでいる場合には、これらの中で最も深達度により分類する。
N 所属リンパ節
 Nx 所属リンパ節転移の評価が不可能
 N0 所属リンパ節転移なし
 N1 1〜6個の所属リンパ節転移
 N2 7〜15個の所属リンパ節転移
 N3 16個以上の所属リンパ節転移
M 遠隔転移
 Mx 遠隔転移の評価が不可能
 M0 遠隔転移なし
 M1 遠隔転移あり





     §11−2 病期分類/胃癌(胃ガン・胃がん)


病期分類
0期 Tis N0 M0
TA期 T1 N0 M0
TB期 T1 N1 M0
T2 N0 M0
U期 T1 N2 M0
T2 N1 M0
T3 N0 M0
VA期 T2 N2 M0
T3 N1 M0
T4 N0 M0
VB期 T3 N2 M0
W期 T4 N1、N2、N3 M0
T1、T2、T3 N3 M0
T、Nに関係なく M1
                                                                  BY UICC





     全国の癌治療の中心的な病院が加盟する「全国癌センター協議会」では、胃癌、肺癌、乳癌、大腸癌の治療5年後

     の生存率を発表しました。それによりますと胃癌は山形県立中央病院(73、8%)、県立癌センター新潟病院(76、

     0%)、大阪府立成人病センター(81、3%)、宮城県立癌センター(69、1%%)、福井県立病院(70、9%)、神奈川

     県立癌センター(76、4%)、四国癌センター(70、3%)、国立癌センター中央病院(84、1%)兵庫県立癌センター

     (76、1%)、栃木県立癌センター(71、4%)、千葉県癌センター(69、8%)、群馬県立癌センター(67、5%)、茨城

     県立中央病院(65、%)、呉医療センター(62、9%)となっております。

     (受療者のステージなどは分かりませんので、一概にこの数値の評価はできません。)





 home(癌&癌のキーワード)>menu>胃癌(胃ガン・胃がん)




     * スキルス胃癌/スキルス胃癌は20〜30歳代の女性に多い特殊な癌です。腫瘍や潰瘍をつくらないため、

     内視鏡検査では早期に発見のし難い癌で、進行の早い癌です。スキルス胃癌はしこりを作らないで胃全体に

     はびこるように広がります。粘膜の下に細かく潜り込み、這うように広がります。そのため胃は革袋のように

     なり、しかもしこりを作らないために、癌の境界線がはっきりしません。 内視鏡でもエックス線検査でも

     見つけ難い癌です。この胃癌は腹膜播種性といい、癌細胞が胃から腹膜に撒き散らした様に飛び火し、腹膜は

     ザラザラになり、腹水が溜まって癌性腹膜炎になります。胃の周囲のリンパ節から遠く離れたリンパ節に飛び火

     している事もまれではありません。原因はよく分かっておりませんが、潜伏期1〜3年以上にわたり緩やかに

     進み、その後に典型的なスキルス胃癌になります。潜伏期にこの癌を早期発見し、早期に治療する事が大切に

     なります。胃体部大彎を中心に粘膜のひだの多い胃底腺領域をしっかり観察し、陥凹した病変を見つけ出すこと

     がポイントです。バリウム、内視鏡検査では相当度の観察が必要で見逃しの確率の高いものといえます。








     参考資料



     * ヘリコバクターピロリ菌/ヘリコバクター・ピロリ(helicobacter pylori)

     感染後、胃内に長期間存在する。胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃ガン、胃リンパ腫などの発生と深く関与する。日本人

     の胃に存在するヘリコバクター・ピロリ菌は、すべてが強毒株と考えられています。この事は日本人の胃の疾患が

     欧米人に比べて多い原因となっている可能性があるという考えに示唆を与えています。その他、様々な病原因子が

     推測されていますが、疾患の発生や病態との関係を臨床的に証明できていません。


     ヘリコバクター・ピロリは1x4μm大のらせん状、あるいはS字状の微好気性グラム陰性菌で、片側に4〜6本

     の鞭毛をもつ感染経路の不明で、活発な運動性細菌です。経口感染は明確ですが、環境、食品などからは検出

     されず、糞口感染も考えにくい。乳幼児の唾液などからの口口感染が推測されています。


     侵入後、鞭毛を使い中性環境の粘膜層の深層に進み、胃粘膜上皮細胞に接着すると考えられています。現況では、

     ヘリコバクター・ピロリ菌は抗生物質で除菌治療が可能と、考えられており十二指腸潰瘍など消化性潰瘍の治療では

     まず最初に除菌治療が選択されています。
胃過形成ポリープも除菌治療で消失するという報告があります。

     (*
胃過形成ポリープ;良性の過形成変化に伴って胃にポリープが発生する。)

ただ、懸念されている事もあります。それ

は除菌治療をした人の3人に1人は何らか

の形で副作用が現れる事、(下痢、軟便、

味覚異常、舌炎、口内炎、腹痛、便秘、頭

痛、めまい、肝機能障害など)、逆流性食

道炎になる事、夫々の副作用には発生確率

には差が勿論あります。ですが一番の心配

事は耐性菌の出現です。この耐性菌の問題

に関しては、保険適用問題を含め、これか

らの最大の懸案事項となるのではないかと

思われます。耐性菌は対抗生物質及び対抗

原虫薬、夫々心配されています。除菌治療

の処方はプロトンポンプ阻害薬(PPI)

     、抗生物質、抗原虫薬を同時処方が主流で、プロトンポンプ阻害薬は胃酸の分泌を抑え強酸の胃の中で抗生物質、

     抗原虫薬の薬効を阻害されないように処方されます。

     抗生物質、抗原虫薬による除菌以外にも、ワクチンの開発も各国で進められております。遺伝子治療も研究さ

     れております。


     ヘリコバクター・ピロリ菌はウレアーゼ活性といい、(尿素を分解してアンモニアと二酸化炭素を生成する作用

     )胃液に含まれる尿素を分解してアンモニアを絶えず生成するためその部分の胃粘膜はアンモニアの刺激を受

     けて爛れます。そしてヘリコバクター・ピロリ菌は空胞化毒素という胃粘膜の細胞を空胞化させ、死滅させる毒

     素を作り出し、生体は免疫機能が働くために粘膜に炎症を起こします。その結果、活性酸素が出来、ウレアー

     ゼ活性で生成したアンモニアと反応して作られたモノクロラミンが更に細胞を障害します。ヘリコバクター・

     ピロリ菌の存在が様々な障害を引き起こします。



 home(癌&癌のキーワード)>menu>胃癌(胃ガン・胃がん)




     
ヘリコバクター・ピロリ菌の毒性

     ヘリコバクター・ピロリ菌は毒性の弱いものと強いものがあり、毒性の弱いものに感染した場合、慢性表層性

     胃炎を起こしますが殆ど自覚症状などはありません。毒性の強いものに感染した場合は萎縮性胃炎を起こしや

     すいものや(腸上皮化生を参照して下さい)、潰瘍を起こしやすい菌などがありその種類によって、感染後の

     罹患する病気も変わります。(日本人の胃に存在するヘリコバクター・ピロリ菌は、すべてが強毒株と考えら

     れています。)


     ヘリコバクター・ピロリ菌と慢性胃炎

     ヘリコバクター・ピロリ菌に初感染しても、定着が持続して慢性胃炎に移行する人は約半数で、残りは人の

     免疫反応で排除されると推測されています。猿を用いた感染実験でヘリコバクター・ピロリ菌接種後、1ヶ月

     過ぎると慢性活動性胃炎と呼ばれる状態になります。この時期は感染初期に観察された、出血、浮腫、糜爛は

     消失して、内視鏡所見は軽微となりますが、慢性胃炎状態は長期に持続すると、特に日本人では腸上皮化生

     ともなう、萎縮性胃炎に移行するのが一般的です。


     
ヘリコバクター・ピロリ菌と胃潰瘍、十二指腸潰瘍

     除菌治療による胃潰瘍、十二指腸潰瘍の再発が抑制できる事は、1980年代後半に証明されています。これは

 
     ヘリコバクター・ピロリ菌が、消化性潰瘍にかかわりが深い事を物語っています。


     
ヘリコバクター・ピロリ菌の感染の有無の検査(保険は適用されません。)

     スクリーニング;感染の有無を調べる篩い分け(@血清学的診断→簡便キットも開発されておりますA尿素呼気試験)

     確定診断;確定診断や治療法を決める検査(@迅速ウレアーゼ試験A培養法B病理組織学検査)


     
ヘリコバクター・ピロリ菌の遺伝子治療例

     ヘリコバクター・ピロリ菌の除菌治療は菌が薬に対して耐性を獲得し、除菌率が年々低下している現状がある。

     そのため除菌に失敗続きの患者が、某H医大病院で個人の遺伝子情報を基に治療するオーダーメイド医療(テ

     ーラーメイド医療)を受け、患者に負荷の極めて少ない結果での治療に成功した。「新しい薬が開発されるま

     で待つしかない」といわれてあきらめかけていたのが、胃の痛みも一切ない形で治療を終了した。この方法は

     厚生労働省から混合診療が認められる「先進医療」として認定を受けた。患者の胃粘膜を内視鏡を使って採取

     し、患者の細胞とピロリ菌を遺伝子検査して患者の体質を調べた上で菌の耐性や薬の代謝速度の違いに応じて

     投与量、回数を変えるもので、現時点では症例は少ないものの、今まで除菌効果が無かった患者の100%の

     治療が成功しているという。(現時点での保険診療は適用されません。)





     胃癌の危険因子として上げられるものは特異要因として亜硝酸塩多量摂取(肉加工食品発色剤など)、萎縮性

     胃炎既往、悪性貧血既往、他の癌にも共通に上げられるものとして、喫煙、多量飲酒、塩分の多量摂取、油脂・

     肉類多食、焼肉・焼き魚多食、運動不足、肥満です。逆に
予防因子として野菜、果物、緑黄色野菜、豆・穀物・

     海藻・緑茶などです。


     -胃ガン(胃癌)予防10カ条-

     @ バランスの取れた栄養、A 毎日、食生活に変化を、B 暴食は避け、脂肪を控えめに、C 飲酒を過ごさ

     ない、D 禁煙、E ビタミン、繊維質を食品から適切に摂る、F 塩辛いものは控え、熱いものを気をつける、

     G 焦げは食べない、H カビを食べない、I 運動を適度に実践





     参考事例/胃癌


     胃癌病変の下部に、寄生虫アニサキスが発見されたという報告事例があります。これが何を意味するのかは、

     様々な憶測も呼ぶかも知れませんが、1cm程度の粘膜病変の直下に硬いしこりを認め、結果的に検査では表面

     部分の粘膜が生検で、病理診断されているため、粘膜下へ浸潤する胃癌が疑われ、胃亜全摘術が行われました。

     アニサキスはイルカに寄生する回虫の仲間で、イカやサバなどの魚類に寄生しています。生でこれらの海産物

     を食べる事により、ケースによっては、胃の壁の中に入り込んでしまい、問題を起こすことがあります。




胃癌 追加情報整理ポスト
* ピロリ菌除菌 ノーベル医学生理学賞を受賞した西オーストラリア大のバリー・マーシャル教授はピロリ菌の除菌に関して日本人に助言しています。「日本人の場合、胃癌の罹患率が高く、50歳以上の全員が除菌する事を支持する。全員が一回除菌すれば、80%は除菌できるので、5年後には高齢者の胃癌も減ってくるのではないか」 この際、「乳酸菌などとの併用で、除菌効果がアップするデータもある」と紹介しています。

実験データでは、「乳酸菌LG21を一ヶ月程度飲んでもらい、一部の人では、ピロリ菌が完全に消失した」そして、推測であるが「ピロリ菌の数が減少すると、人が持っている免疫力でピロリ菌を排除している人がいるかもしれない」と述べています。「日本の場合、残念ながら、強毒性のピロリ菌に感染している」とも述べています。
* 乳幼児のピロリ菌感染 胃潰瘍や胃癌のリスクとされるヘリコバクター・ピロリ菌が、既に乳幼児期に感染している事が指摘されております。

「2〜3歳までに感染しているケースが多く、 子供の5〜10%は既に保菌している」というもので、その感染経路の主なものとしては「乳幼児期に保菌している両親が離乳食などを、噛み砕いて与える食習慣」としています。

その他にも「母親のゲップで胃粘膜から口の中に出てきている事に意識が行かず、その後で子供に口移しで食事を与える・キスをする」などにより感染する事もあります。乳幼児は免疫機能が発達していないために、ピロリ菌が胃粘膜に住み着き易く、その時点では軽い胃炎を起こす程度です。(小児ではまれに胃潰瘍の原因になったり、 成人後に胃潰瘍や胃癌になる危険性も生じます。)

親は感染経路を十分に意識し、口腔衛生に努め(嗽をしっかりしたり、歯の衛生習慣を守るなど、常に留意する事が必要)清潔に心掛けなければなりません。母乳にはピロリ菌が胃粘膜に定着するのを阻止する働きがある為、母乳育児に心掛ける事も大切です。
* 早期ピロリ菌除菌 日本人の場合、胃癌の原因の95%以上がピロリ菌感染である事が確認されております。ピロリ菌に感染しますと、数週間から数ヶ月で100%慢性胃炎が起きる。この胃炎はピロリ菌感染胃炎とも呼ばれ、胃潰瘍、萎縮性胃炎、 胃癌などの胃の病気を多く惹起する事も分かってきています。この慢性胃炎を防げれば胃癌の他、多くの病気も抑制する事が出来るとされます。

現在、ピロリ菌除菌に保険が利くのは胃潰瘍や十二指腸潰瘍などの限られた疾患だけであるという問題がありますが、某教授も、「若い世代で早期の除菌ができれば、100%胃癌を抑制できる。50代では男性で約7割、女性で9割抑制できるが、60代になると男性では半分程度になってしまう。除菌治療を受けるのは早いほど良い。そして50代以上では除菌だけでは癌の発生を予防する事は難しいので、除菌後の定期的な検診が必要」と話しております。
*
*
*
*
*
*
*






      * ご覧になりたい項目の金色ボタンをクリックして下さい。ご希望のページへジャンプします。

頭頸部 脳腫瘍 上顎洞癌 舌癌 咽頭癌
喉頭癌 甲状腺癌 食道癌
胸部 肺癌 乳癌 縦隔腫瘍
腹部  胃癌 肝癌 胆嚢癌 胆管癌
膵癌 腎癌 膀胱癌 大腸癌
生殖器 外陰癌 膣癌 子宮頸癌 子宮体癌
子宮肉腫 卵巣癌 卵管癌 絨毛癌
前立腺癌 精巣腫瘍
全身性 神経芽腫 骨腫瘍 皮膚癌 多発性骨髄腫
急性白血病 慢性リンパ性白血病 悪性リンパ腫
成人T細胞白血病 慢性骨髄性白血病
その他 抗癌剤 転移・再発 疼痛緩和ケア ターミナルケア
腫瘍マーカー












 home(癌&癌のキーワード)>menu>胃癌(胃ガン・胃がん)
-癌&癌のキーワード-
(C)allright reserved 免責事項
AX